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Connectify Dispatch

恐らく日本では必要とする人がほとんどいないと思われるソフトのご紹介。

Connectify Dispatch

一つのパソコンに複数のネットワークアダプタ、特にモバイル端末を取り付けて、それらを同時に使って通信するためのもの。コネクション単位(と思われる)でインターネット接続を端末に分散させて、結果として全体の速度向上を図る。

こういうのは切実に欲しかった。ウチは糞田舎なので、光ファイバーが無いのは勿論携帯電話でも4GやLTEは届かない。ぎりぎり3Gはエリア内だけど不安定で切れるわ遅いわ。

使ってみた。アダプタは、DOCOMOFOMA端末A2502、e-mobileのモバイル4GルーターGL10P(でも3Gしか電波来てない)、エリア限界ぎりぎりのFlets-ADSL。単体での速度はそれぞれ約2Mbps、8Mbps、500kbps。

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水色がイーモバ、赤がFOMA、青がADSL(見えないけど)。

実際はコネクション単位なので、ダウンロードや動画再生が速くなる訳ではない。単一の接続は単一のアダプターに振られる。パケット単位で分割できれば良い訳だけど、これは原理的にサーバー側が対応しないと無理。(その為のConnectify Switchboardというのもβだけど存在する。ただサーバー使用料込みで年間$120なのがちょっと高いかなあ。)

なので体感速度はそんなに変らなかった。恐らくアダプタ間の速度差が有りすぎるんだと思われる。データ上は11Mbpsのスループットが出てるので早くはなっているけど。体感するにはe-mobileを3台とか使えば多分劇的に改善するんだろうが、財布内容も劇的に減少するだろうから無理。うちはDOCOMOADSLが会社持ちだから出来るだけ。LTE使えるならDOCOMOを機種変するんだけども。

結局、最大のメリットは一つのアダプタが死んでも別のアダプタに通信がシームレスに引き継がれる事だった。アダプタは全部を使わずに、通常用とバックアップ用に分類しておけるようになっている。FOMAなんて時間経過や通信量によって基地局から勝手に切断されるのだけど、その場合でもバックアップ指定しておいたADSLe-mobileに自動的に繋がってFOMAが復帰したら再度自動切り替えしてくれる。ここは非常に便利、というかこの機能の為だけでも$40支払った価値はあった。

およそ快調に安定して動作してるけど、問題が一つ。VPNと相性が悪い。特にL2TPは接続できないし、PPTPは繋がるけど良くフリーズする。DispatchがVPN仮想アダプタを通信回線扱いしてしまうのが悪いと思われるけど、VPNなんて必要な時だけ繋がれば良いのでその時はDispatchをOFFにすれば良い。これもボタン一つ。再復帰もボタン一つ。簡単。

こういう機能が必要な人がもしいるなら、お勧め。でも通信に信頼性や速度を求める人は田舎に住まないよねきっと。

あ、出先でのプレゼンテーションやデモで、通信が切れるのが困る向きにも良いかも。モバイルカード2本挿しとか、客先での話題作りにもなりそう。(そんな話すんのうちの会社だけ?)