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人災

ではないそうだ。

日経の、東京電力の下河辺会長インタビュー(ここ)。

国有化に伴い送り込まれた人間のはずだったが、なんだか旧東電の役員と言っても違和感の無い発言をしていて楽しい。

笑えるのが2ページ目、事故は人災ではないのかと問う記者に対して、

津波の危険性への認識が「可能性」の域を出ず、1つの試算値としてしか受け止められないうちに3・11が来てしまった。」

そして、

「「人災」というと帰責事由としての故意・過失に結びつくものにおいて成り立つもの」

従って

「「天災」の反対のカテゴリーとして「人災」を位置づけることには違和感があるのです」

と言っている。要するに「事故は人災ではない、なぜなら故意や過失ではないからだ」という意味合いだろう。他の段落でも「これを「人災」という人もいます。」と述べているので「自分はそういう人ではない」という意味にしか取れない。

つまり事故を例えば自動車事故に言い換えてみれば、

「自動車事故は可能性の域を出なかったから自動車保険に入らなかったのは過失ではない」

と言っているようなものじゃないのだろうか。自動車事故の可能性は津波の可能性よりはるかに大きいが、しかし過去巨大な津波の被害は実際に記録されてるのだから充分に過失だろう。あらゆる可能性に対処しろとは言わないが(例えば巨大隕石とか)、津波は数百年間隔で確実に来ているのだから。

こんな発言をする人物を送り込んだところで、東電の体質は変わらないだろう。結局官僚の都合の良いようにしか動いていないという事で、国有化なんて誤魔化しでしかない。