文句たれ日記飛び地の避難所

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セカイ魔王

作者の双見酔を知ったのは、前作の「空の下屋根の中」だった。高校を卒業したものの勉強も仕事もしたくなくてニートとなった女の子が、周囲との関係の中で成長っぽく右往左往しながら、いつの間にやら就職するまでのお話。

絵が凄いとかストーリーが抜群とかでは無いのだけれど、妙に印象に残る佳作だった。その作者の新作がこれ。

RPG風世界で復活した勇者と魔王。しかし勇者は戦闘力皆無・志皆無の一般人青年。魔王は最強の魔力を持つものの記憶を失っていて姿形や性格はただの少女。参謀?の勧めに従って魔王は自分の分身を妖精の姿にして勇者と共に旅をさせる...というお話。

色々ストーリーや絵に不整合はあるものの、この作者ならではの空気感が心地よい。大笑いしたりホロリ泣けてきたり感動したりは全くもってしないのだが、しかし不思議とどっぷり漬かった自分がいる。なんだろう、これは。まんがタイムKRにはたまにこういう良作があって油断できない。そういや岬下部せすな阿倍野ちゃこを知ったのもKRだったっけ。

最大の問題は、連載ペースからして第2巻が出るのは1年後だろうという事。遙か未来。4コマだから仕方ないけど、長いなあ。