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ペンタックスSV

AT-Xでは先週から始まった「たまゆら~hitotose~」。例によって佐藤順一監督のそんな世界。忙しくてつい先ほどようやく第1話を見た。うんうん子持ちにはたまらんね。

主人公の父親は亡くなっていて、形見のカメラであるローライ35で色々撮影するお話。(ちょっと違う)

で思い出したのがペンタックスSVという49年前の一眼レフカメラ。私は小学生の時から写真撮るのが好きで、親のカメラ(ミノルタ・ハイマチックF、たぶん)を勝手に持ち出して使っていたので、これではたまらんとワタシ用に買った中古カメラを押しつけられた。当時既に10年落ちで、その上レンズ無しでボディだけ。これで何を撮れと。自分の親ながらテキトーだった。

数ヶ月後くらいにお年玉+アルファでいきなり200mmレンズなど買ってしまい、人物や風景の撮影を一切考慮しないという我ながら無謀なセレクション。星と野鳥と猫ばかり撮っていた。

SVには露出計が付いていないのでシャッタースピードや絞りは失敗しながら体で憶えた。最初は露出アンダー連発していたが、中学2年くらいから安定して露光できるようになり、大学生になって露出計付きのペンタックスSP-Fを購入するまで人間露出計だった。今でもメーター無しに瞬時にシャッタースピード/絞りの組が思い浮かぶ。(ISO100限定なので他感度の時は換算しなければならないけど。)

どうでも良いけど高校生の頃は猫写真の校内第一人者だった。(最近と違って、当時は猫の写真なんて誰も撮らなかった。校内で撮ってたのはワタシだけだったから第一人者なのは当然だよ。)学園祭や校外の展示会などに出品するために額装した数々のぬこ写真は全て同じ部活やクラスの女の子たちに奪われたが、しかしガールフレンドは出来なかった。ちくしょうめ。

話がデッカク逸れた。たまゆらを見て、ここ10年くらいしまいっぱなしだったSVを陰干ししようと押し入れから出してみた。

来年で50才のカメラ。私より少しだけ年寄りだ。購入時から傷だらけだが今やボロボロ。残念ながら後幕が途中でひっかかってシャッター切れなかったが簡単に修理できそう。絞り連動とか問題なく動くんだから凄い。

後から買い足した、SP、SP-Fと。SP-Fはレリーズが落ちないが、SPは不具合なしでまだ動く。これも発売から47年経過してるんだけど簡単なメンテだけで動いちゃうんだから凄すぎる。レンズもとりあえず4本発掘したが全て完動。どれだけオーバークオリティなんだよ。EOSやEFレンズなんて年中行事のように整備に出さないとだめなのに。

カメラケース。勿論本皮、要所要所2重ステッチで無茶苦茶丈夫。メッキの丁寧さが洒落にならないレベルで未だに金具もピカピカ。

すぐ話が逸れる。何が言いたいかというと、たまゆらのぽってのように父親のカメラなりなんなり、機械物に関しては子に残せない時代になっちゃったんだなあと。例えば今私がメインで使ってるのはEOS40Dだが、50年どころか10年後だってきっと使えない。動作したとしてもデジタル画像としては使いようがないだろう、フォーマット的に。フィルムカメラみたいに最新のフィルムを入れれば最新のクオリティが手に入る訳ではない。今やカメラは制作物すら消耗品になってしまった。

懐古趣味に走るつもりは無いが、この現状はつまらないなあと。