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ぞうげ

よく分からん。

象牙市場の全面閉鎖、アフリカが提案 日本は反対姿勢

アフリカ象が減っている。密漁も横行している。なのでアフリカの一部の国が世界中の象牙取引を全面的に禁止することを提案している。それは理解できる。

しかし日本は、「日本国内の象牙市場は適切に管理されている」などとしてこれに反対。ヤフオクなんかを見れば管理なんてされていないのは一目瞭然だし、そもそも象牙の登録制度自体が違法象牙を合法化するための隠れ蓑として有用なのは小学生にでも分かる。

環境省が今月こんなレポートを出した。

適正な象牙取引の推進に関する官民協議会報告書~象牙の取引に係る現状と今後の取組み~ [PDF 571 KB]

一見すると象を守るために色々頑張っているような文書だけど、良く読めば実効性の無さそうな施策が並ぶ。法制度の周知とか業者に対する講習会とか、そんなもん大して役には立たないのは食品偽装とか見てれば明らかでしょう。密輸出が業者への周知徹底とかで根絶できるとでも。また中国税関との情報共有とか笑える項目も。非法治国家に何を期待してるのか。

それに1989年には200億円だった市場規模が2014年には20億円に減少していると誇らしげに記述してあるが、20億円て象何頭分だろうね。(ついでに細かい事を書くと、この図の左右の円は面積が1/10ではない。こういう印象操作に鈍感もしくは故意であるあたりで、この文書の価値は激減してるが。)

というか、何故ここまでして日本国内の象牙市場を守らなければいけないのかが理解できない。

たかだか20億円の市場を37社でシェアしてる業界に、強力なロビー活動ができるとも思えない。象牙印鑑は一般的には昭和になってから使われ出したものだから歴史的な価値も少なく文化とも言えない。簡単に欠けちゃう象牙よりもエンジニアリング・プラスチックとか使えば丈夫で熱にも薬品にも強く劣化しない印鑑がいくらでも安価に作れる。象牙市場を全面禁止すれば日本が自然保護に積極的なんだという国際的なアピールにもなる。20億円どころじゃない国益になる訳です。その上、20億円市場からの税収なんてせいぜい数百万円でしょう。そんなんで国際会議で戦ったら旅費だけで大赤字。何やってるんだって話です。

税金を使ってまで象牙業界を保護すべき理由がまったく見あたらない。デメリットばかり。いったい裏に何があるんだろう。